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インタビュー
2018/11/22

【前編】応対満足度は驚異の88%!「goo」のチャットサポートを紹介

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こんにちは、CSジャーナル編集長の大塚です。

今回のCS実践者インタビューはNTTレゾナント株式会社の町田さん。NTTレゾナントはポータルサイト「goo」やオンラインストア「NTT-X Store」など約50個のWebサービスを展開されています。

CSのサポートチャネルとして電話とメールの他にも、お客様の対応満足度向上のためチャットサポートを導入されています。今回はCSの成果や目標をお伺いしながら、チャットを導入した理由のほかに、

・チャットを導入するときの弊害や大変だったこと
・チャットサポートのメリット・デメリット
・お問い合わせが重なったときのチャットサポートの対処法 など

チャットを導入して良かったとお話をされる町田さんのお話から、チャットサポートを導入する上でのポイントを詳しく話をして頂きました。

  • 1.チャットに向いているサービス・向いていないサービスとは?
  • 2.チャットを導入することで減ったお問い合わせ件数
  • 3.電話やメールと比べたチャットのメリット
  • 4.問い合わせをコントロールし、チャットを無理なく始める方法
  • 5.まとめ
プロフィール紹介
NTTレゾナント メディア事業部 ポータルサービス部門 CSチーム
町田孝一郎平成29年にNTTレゾナントに入社。
メディア事業部ソーシャルサービス部門CS担当に配属となり、gooにおけるお客さまの満足度向上を目的としたサポート業務やソーシャルメディアの運営業務を担当。

チャットに向いているサービス・向いていないサービスとは?

大塚
本日は宜しくお願い致します。
まずはCSチームの目標やチャット導入のキッカケなどを教えて頂けますでしょうか。

町田
宜しくお願い致します。
サポートの目標としては、サポート後にお答え頂くアンケートの「応対満足度」を指標にしています。アンケートの集計結果でお客様の応対満足度80%以上の達成を目指しています。

弊社はもともとメールでのサポートを主体としているのですがメールアンケートの中で「もっと早く解決してほしい」という回答がかなり多くありました。その背景からチャットを導入したのがキッカケですね。

大塚
チャットをサポートで使うときに、懸念などはありませんでしたか?

町田
問い合わせが急増してしまうのではないか、と考えていました。

大塚
導入に踏み切れない方は、皆さんそう思っていますよね。

町田
ただ弊社ではサービス自体の数が多いということ。さらにチャットのサポートが向いているサービスと向いていないサービスがあると考えました。そのためまずはチャットが必要なサービスと不要なサービスの振るい分けを行い、チャットサポートが必要なサービスだけに特化してスタートさせました。

大塚
向いている・向いていないの判断は良いですね。その中でチャットが向いているのはどのようなサービスだったのでしょうか。

町田
チャットの使い勝手が良かったのは、gooブログのような使い方ページも用意していても、ユーザーが見付けられていない。基本的な操作で、一言聞けば答えられるサービスはとても向いていると感じました。

大塚
反対に向いていないサービスについてはいかがでしょうか。

町田
オペレーターだけでは解決できない、より深く調べなければいけないものですね。私たちだけが提供していない、他社と連携しているサービスも向いていませんでした。

大塚
そのように向いている・向いていないを見極めた上で始められたんですね。実際にチャットをやってみて、お問い合わせが増えるのではないかという懸念はいかがでしたか。

町田
最初はチャットの件数は意外と少なかったです。こちらでチャットを出す場所や表示する時間に制限をかけていたこともあると思いますが、あまりお問い合わせはありませんでした。

出す場所や時間の幅を広げてみても、そこまで一気に増えることは無かったですね。現在も課題ではありますが、チャットに抵抗がある方は結構いらっしゃるのかなと思います。

大塚
メールとチャットの割合は、どの位になっていますか。

町田
8:2ですね。チャットが2になります。

大塚
かなりチャットの割合は増えてきているのですね。

町田
少しずつ増えてきましたね。

チャットを導入することで減ったお問い合わせ件数

大塚
全体のお問い合わせのボリューム自体は、チャット導入前と比べて増えているのでしょうか。

町田
導入前と比べて減っていますね。

メールでは会話が完結するまでに何度もやり取りをすることになります。そのため初回のお問い合わせだけではなく2回目・3回目のお問い合わせも件数としてカウントしていました。チャットは1回で会話が完結しますので、その分はだいぶ違います。

大塚
メールで聞いてもよく分からず聞き直して、というやり取りがチャットであればその場で完結するということですね。

町田
お客様のID確認やお名前の確認はメールでは1度聞いてから返して頂く手間も発生していました。そのやり取りが本当にスムーズになりました。

大塚
質問の意図が分からないと1クッション挟むことになってしまいますからね。結果としてはお問い合わせは増えずに、むしろ減りながらチャットの比率も上がってきているということですね。

実際にチャットを導入された成果としてはいかがでしょうか。

町田
メールの時に多かった「早く解決したい」という声はチャットにすることで、予想通り「すぐに解決できた」という声を多数頂くことができました。

チャットだけではありますが、応対満足度で見ると88%まで上がったので、かなり効果は大きかったです。

大塚
この満足度はメールよりも大きいですか。

町田
メールは対応満足度が80%を切る位になります。そのためメールと比べてプラス10%ほど高い結果になります。

大塚
これは凄いですね。
チャットは全てオペレーターの方が対応しているのでしょうか。実際にやってみて体制的には大変ではないですか?

町田
まだチャットボットなどは導入が出来ていないため、全て人が見ています。

チャットの窓口自体は、理想は1対多ですが今は1対1しか出来ておりません。かつ同時に開く口数もあまり広げていないため、チャットのサポートが始まると付きっ切りになります。

それでもチャットは電話に比べたら電話対応+後処理時間でログを残すなどの処理も必要ないため、時間は全然かかりません。そのためCPH(コスト・パー・アワー)はだいぶ高いです。

大塚
体制も混乱することはなかったということですよね。

町田
もともとメール主体のチームになります。チャットはメールとも近いこともあり、そこが自然に入れた理由なのかなと思います。

これが電話だけのサポートセンターであれば、文字を打つという差があるので大変かもしれません。私たちはメールで使っていた定型文をチャット用にアレンジをして活用したりとか、そのような準備が出来たのでスムーズに入れましたね。

大塚
ここまでを簡単にまとめると、成果として2つということですね。

✅お問い合わせの総数として減らせている
✅一方で顧客満足度はすごく高い

電話やメールと比べたチャットのメリット

大塚
他にも町田さんがチャットをやって良かったと感じる部分はありますか。

町田
チャットは電話と違ってログが残っているので、「何分後に返信がきた」「何分後に返信をした」という時間も細かく分かります。そのため分析のしがいがあります。

オペレーターごとに見ても、「この回答に時間を使ってしまっている」「ご案内不足でおかしくなっている」など、ログを見た分析やフィードバックにもかなり役に立っています。

大塚
電話は残し方も大変で、全部は聞けないですからね。

町田
そこが大きく違います。

大塚
電話の部分をお話しして頂きましたが、メールと比べて違いはありますか。

町田
メールと比べて1回で済むようになったのは、やはり大きいですね。あと大きいのはお客様を待たせることなく解決できていることです。

大塚
もともと返信・回答までの時間はどの位短縮されたのでしょうか。

町田
メールでは24時間返信を最低ラインにしていて、ギリギリになっていることが多くありました。それがチャットにすることで平均して15分ほどで対応が完了します。

メールがなぜ時間がかかってしまうのかというと、お客様からのレスポンスを待たなければいけない。または文章を作るときにボリュームのある文章を作らなければいけない。

なるべく1回で終わらせなければいけないため、メールは盛り込みすぎる傾向にあります。

そこをチャットは会話を意識しながら、テンポよく送っていけるためお客様からの発信も短く済みますし、レスポンスも早くなります。

そこは時間短縮の要因なのかなと思います。

大塚
メールは相手の意図を汲み取りながら書きますからね。町田さんの感覚的には思ったよりもチャット導入のハードルは低いという感覚でしょうか。

町田
私たちのチャット導入については、想定していたより大変なものではありませんでしたね。

問い合わせをコントロールし、チャットを無理なく始める方法

大塚
皆さんにチャット導入についてお伺いすると「体制が・・・」というお話をよく聞きます。その辺りについてはいかがでしょうか。

町田
その体制というのは【1日200件対応をしなければいけない】というような、窓口を広げて考えるから大変だと感じるのでは無いでしょうか。

テストをしながら少しずつ窓口を広げるところからスタートすれば、無理なくやっていけるのでは無いかと思います。

大塚
ポイントとしては、チャットからのお問い合わせの量をコントロールしてしまえばいいということでしょうか。

町田
例えば、メールのお問い合わせが増えたらチャットを一度閉じて入れないようにすることも出来ます。日々の運用が円滑に進むようコントロールをしています。

大塚
それはどのようにコントロールをすればいいのでしょうか。

町田
チャットは、ポップアップを出してプロアクティブな誘導をかけているのですが、その画面を出す場所と出すまでの時間を調整しています。gooブログの使い方ページにも出していますが、即時出すわけではなく30秒ほど時間をおいて、そこで困っている人だけに出すようにしています。

あとはチャットのお問い合わせがすでに何件か入ってきている場合は、その時点でチャットサポートを各ページ上に出さないようにして、新規のお客様が入ってこないようにしています。

大塚
こちらからの働きかけというのは、確かにチャットならではですね。

町田
電話番号であれば、ずっとオープンになっていますよね。しかしチャットはお問い合わせが出来ない状態を作れるのは良い部分だと思います。

大塚
色々とお聞きする中で、チャットはポップアップの出し方や時間、クリエイティブによっても違うとお聞きします。中にはポップアップをする・しないで、10倍ほどお問い合わせ量が違うとお話をされる方もいらっしゃいました。

町田
このページもヘルプページのトップページになるので、困っている方が来ているページになるため、すぐに出るように設定しています。

大塚
チャットツールは何を使用されていますか。

町田
OracleのOracle Service Cloudというツールになります。

大塚
チャットは窓口を出しっ放しというイメージがありましたが、コントロール出来るのはチャットの良さですね。

町田
実際に何社かチャットのサポートセンターにも見学に行きました。そういったサポートセンターの状況を見ているとチャットの窓口を出しっ放しにしている企業が多く、待ち呼になっているサポートセンターもありました。

せっかく「チャットですぐに対応が出来ます」とお伝えしておきながら、お待たせしてしまう状態はあまり良くないと思っていました。そうならないように注意して準備していました。

大塚
時間でやっているわけではなく、電話に出ているときは受け付けないなどの対応がOracleでは出来るわけですね。それはオペレーターの方が操作をして出さない状態を作り出せるということでしょうか。

町田
対応窓口数に達したら、チャット窓口は出さない設定が出来ます。
手が塞がっている状態であれば、すぐにチャット窓口を止めるように指示を出しています。余裕がある時は窓口をオープンしておく。止めていれば窓口はページ上には出てこないので、そこでコントロールをしている状態です。

まとめ

前編ではチャットサポートに向いているサービスや向いていないサービスを知り、見極めた上で始めることが大切ということを教えて頂きました。

チャットを導入するとお問い合わせが増えてしまうという懸念も、お問い合わせをコントロール出来るため、最初に間口を広げなければ無理なく始められることも分かりました。

チャットの応対満足度も88%と高く、電話やメールのデメリットを補えるなど、導入による多くのメリットがあるようです。

後編では
・チャットが長引いてしまうときの対処法
・チャット導入を検討している方へ伝えたいこと
・チャットが担う重要な役割

をお話しして頂きました。ぜひ続けてご覧ください。

 CSジャーナル
【後編】応対満足度は驚異の88%!「goo」のチャットサポートを紹介
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こんにちは、CSジャーナル編集長の大塚です。今回のCS実践者インタビューはNTTレゾナント株式会社の町田さん。前編ではチャットサポートに向いているサービスや向いていないサービスを知り、見極めた上で始めることが大切ということを教えて頂きました。チャットを導...

■大塚 真吾
プロサッカークラブのマネジメント職を経験後、ダイレクトマーケティング支援の株式会社ファインドスターに入社。サブスクリプション型の通販のマーケティングを100社以上支援。2013年、スタークス株式会社に入社し、2016年取締役に就任。現在、クラウド型の物流プラットフォーム「クラウドロジ」とLINE@に特化したCSツール「CScloud」を提供。

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